てのひら

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  バイトが終わって繁華街を通り抜ける。 まだ眠るには早い夜。 いつもそこには手相占いの易者が寂しそうに座っていた。 そこから逃げるように早足で通り過ぎる。 空を仰いでも、ネオンに包まれたこの街に星の光は届かない。 こんな人工的で不自然な世界で、あの易者は人の未来を見ることなんてできるんだろうか。  
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