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「・・・俺は何でこんな所に?」
さっきから俺の周り360°全てが真っ白な霧に覆われ、足元すらハッキリとは見えていない。
「…確か大学の帰りで電車に乗ってたハズなんだけどな~。ん?もしかして夢か?」
「いやー。これは夢じゃありませんよ~」
「だ、誰だ?」
驚いてキョロキョロと周りを見ても、白い霧以外何も見えない。
「私の姿は見えませんよー。簡単に説明しますねー。あなたは電車の事故で亡くなりました。そして私は、あなた方の言葉で言う所の神に当たる存在ですねー」
俺は頭の中に響いてくる信じられない話しに、数分間言葉を失っていた。
「ち、ちよっと待て……確かに俺は電車に乗ってたけど、事故になんて合ってないぞ」
「それはあなたが事故の衝撃で記憶を無くしてるからですよー。人は死ぬ程の衝撃を体が受けた場合は、魂の消滅を防ぐ為に記憶が残りません~。そしてあなたは間違い無く死亡しました~。普通は死亡したら転生の輪に入るだけで、私がワザワザ話しをしに来る事は無いんですー」
「少し待て。百歩譲って俺が死んだ事は事実としよう。あんまり認めたくはないがな。だが今のあんたの話しだと俺の死は普通じゃ無いみたいに聞こえたが?」
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