物語の始まり タイムスリップした医師

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「おそらく私よりも、腕は上だ。」 坊主―松本良順はきっぱりと、 朱乃の手術の腕を見て断言する。 「おめえさんの見立てなら、ほぼ、まちけえねえだろうなあ…」 坊主の言葉に、ニヤリと楽しげな笑みを浮かべる男―名は勝義邦 通称 燐太郎 号は海舟という。 勝は一目で 朱乃のことを気に入っていたのだが、まさか、女とは思わなかっただけなのだ。 「終わったよ…彼にはしばらく安静が必要だけど、命に別状はない。」 手術が終わり、 朱乃はマスクを外した。 そこでようやく自分が置かれている状況に気がつく。 「此処は何処だ?」
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