40人が本棚に入れています
本棚に追加
「おそらく私よりも、腕は上だ。」
坊主―松本良順はきっぱりと、 朱乃の手術の腕を見て断言する。
「おめえさんの見立てなら、ほぼ、まちけえねえだろうなあ…」
坊主の言葉に、ニヤリと楽しげな笑みを浮かべる男―名は勝義邦 通称 燐太郎 号は海舟という。
勝は一目で 朱乃のことを気に入っていたのだが、まさか、女とは思わなかっただけなのだ。
「終わったよ…彼にはしばらく安静が必要だけど、命に別状はない。」
手術が終わり、 朱乃はマスクを外した。
そこでようやく自分が置かれている状況に気がつく。
「此処は何処だ?」
最初のコメントを投稿しよう!