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戦場で働いていた経験が長いせいか、 朱乃は医療道具一式は持ち歩いている。
―厄介な性分だ―
そう思い、唇に笑みを刻むと目の前の患者へと意識を切り替えた。
患部を消毒し、傷口を洗い、血管を縫合する。その後、皮膚も縫合を行う。
「幸いなことに、重要な臓器に支障はなさそうだ・・・これなら、回復も早いな・・・」
朱乃のメスさばきに、二人の男は息を呑んで見守っていた。
「旦那・・・・彼女、凄いね」
「ああ…え?彼女?」
「女の方だよ。気づかないのかい?でも、あの蘭学は何処で学んだんだろうねえ・・・」
「ええ??」
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