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「起きてたの?」
「…なにそれ?」
俺を起こしたのあなたでしょうがって意地悪に微笑んで、抵抗しようとする腕を縫い付けるようベッドに押し付けた。
「人の寝込み襲う奴に拒否権ねーから」
あんたの匂いの薄れた部屋に満ちさせてーんだとは言わないけど。
「……」
無言のまま、あいつの腕から力が抜けた。
「……いいよ」
俺もそのつもりだったからって
真っ赤な顔して真摯に
潤んだ目を俺に向けて。
まっすぐに伝える姿に
ああ…
互いに不足してたのかって理解するよりも先にあいつに口付けて
より深く感じて
近くで互いの鼓動を
聞いて眠るのは
もっとあとの話。
~END
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