今更過ぎるふたり

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いつも意識しないくせに この日は必ずっていいほど意識しちゃう。 付き合ってから、行事や記念日だとかを最初から二人きりで過ごしたことがなかった。 二人で決めた事ではないけれど、どこか二人とも避けるようになっていた。 どこか後ろめたい関係を隠すように。 バレないで、長くいつまでも一緒にいれればいいと。 ズルいと思う、けれど… ズルくていい。 長く一緒にいれればよいのだと。 常に自分自身に言い聞かせていたから。 最悪のパターンを思い浮かべて、二の足を踏むこと。 臆病な悪い癖だと思うのだけど。 相手を失うのが恐いのだ。 付き合う前は二人きりでもまったく意識しなかったのに。 好きになれば、なるほど、余計に恐くて習慣を断ち切る事が出来なかった。 今年こそは呪縛を逃れようという決意も虚しく、逃げるようにメンバーにナナを祝う会を持ちかけると、最初は怪訝そうな顔をするけれど快く了承してくれた。 店の確保は去年と同じく修ちゃんが受け持ってくれて、俺たちは誘導されるままそちらに向かった。 「ナナ、誕生日おめでとうっ」 久しぶりの飲み会とあり、乾杯の挨拶もそこそこに皆ハイテンションに盛り上がった。 会も進むにつれて、メンバー全員から個々(2対3)に分かれいた。 ナナを反対側のテーブルから盗み見るとリーダーと楽しそうに談笑して、リラックスしているように思えたので、今日の選択も間違いじゃないと思えるような気がした。 .
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