馬鹿者の悟空

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「また晴れ…。」 岩しかない…いや…空と岩と護符しかない牢の中に一人の大地が産んだ妖が居た。 「何で…何で…此処にいるんだよ…俺……っ。」 岩に己の拳を強く殴り、痛みで雑念をかっ消した。 「何時から此処に居たっけ?」 流れる時に逆らう様に過去を思い描いた。 「あいつ…あの日、町人に間違われて悪に引っかかってたな、くくっ♪」 思い出すと笑ってしまった。 ふと思った…。 ・・・ 「あいつって誰なんだろう?」 記憶を辿るたびに見る人物。 優しく微笑み、汚れたこの手を掴んで歩んでくれた人…としか分からなかった。
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