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「くっ…そー!まだか。」
長い長い荒れた道を歩く人物。
彼の名前は玄奘三蔵。
昔、前三蔵法師の愛弟子で玄奘三蔵の名を受け継いだ夜に前三蔵法師が妖怪に殺され、師匠である前三蔵法師の形見を探しに旅に出た。
三蔵は不思議な事に耳鳴りの様に幼い声がし続けた。
そして、幼い声の主の元に辿り着いた……。
「……っ…。」
岩牢の中で輝く太陽の様な暖かいだけど何処か月の様な寂しい瞳が見えた。
三蔵は声の主に言った。
「テメー…。」
「お、俺!?」
「『ウルセーんだよ。』」
突然の文句。
「……ハッ?」
長い髪を揺らした。
「……おい、俺のことずっと呼んだのはお前か?」
「―――え?俺…誰も呼んでねェけど、あんた誰?」
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