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円陣を組み、中心に1人の女の子が体操座りをして目を閉じる。
それを合図に唄が始まる…。
「か―ごめかごめ、籠の中の鳥は
い―つい―つ出会う、夜明けの晩に
鶴と亀が滑った後ろの正面だぁれ?」
あたしは、あの唄が嫌いだった…。
「…ようちゃん!」
振り返ると、そこには名を呼ばれた子がいた。
「また当たりかよ~」
「かごめちゃんはホントに外さないね」
「かごめ、もう一回しようぜ」
あぁ…またその繰り返し…。
少女の顔は少し曇るが、誰も気付きはしない。
あたしは、あの唄も、自分の名前も嫌い――・・・。
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