第一話

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「ほぉら!やっぱり夢じゃないかい~!」 目が覚めると同時に 鏡を覗き込むと そこには変わらない 女の子の私がいて… 凄く安心した やっぱり夢、悪い夢だったんだよって 多分、誕生日パーティーやってる時に 間違ってお父さんのお酒でも飲んで 倒れたのかもしれないし 何はともあれ… 元の女の子の私に戻れたから もういいんだけどさ 私はいつものように 学校に行く準備をして 朝食を食べる為に リビングへと下りた 「おはよ~」 私がリビングに入り そう声を掛けた瞬間に 心配そうな声が一気に 私の耳の中に入ってきた 「ちょっと蘭、昨日は大丈夫だったの?」 「は…?大丈夫って?」 「蘭姉惚けないでよ」 「鈴?惚けてないよ」 「蘭姉さんの嘘つき、昨日の夜、あんなに苦しそうだったのにさ」 「一度病院に行った方がいいな、母さん今日蘭を病院に…──」 「煉もお父さんも何言ってるの?昨日は私、お父さんのお酒でも飲んで倒れたんでしょ?」 私が四人の顔を順に見ながら そう言うとお母さんが 台所から私の方に寄り 「蘭は昨日、ケーキを食べてからすぐに苦しみ出したのよ?覚えてないの?」 「…」 私は何も言えなかった だってまさか 昨日のアレが夢じゃないなんて… その場にいるのが嫌になって 朝食を食べないまま 学校まで走った 自分が男の子になってしまった事実から 逃げたかったのかもしれない
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