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「ほぉら!やっぱり夢じゃないかい~!」
目が覚めると同時に
鏡を覗き込むと
そこには変わらない
女の子の私がいて…
凄く安心した
やっぱり夢、悪い夢だったんだよって
多分、誕生日パーティーやってる時に
間違ってお父さんのお酒でも飲んで
倒れたのかもしれないし
何はともあれ…
元の女の子の私に戻れたから
もういいんだけどさ
私はいつものように
学校に行く準備をして
朝食を食べる為に
リビングへと下りた
「おはよ~」
私がリビングに入り
そう声を掛けた瞬間に
心配そうな声が一気に
私の耳の中に入ってきた
「ちょっと蘭、昨日は大丈夫だったの?」
「は…?大丈夫って?」
「蘭姉惚けないでよ」
「鈴?惚けてないよ」
「蘭姉さんの嘘つき、昨日の夜、あんなに苦しそうだったのにさ」
「一度病院に行った方がいいな、母さん今日蘭を病院に…──」
「煉もお父さんも何言ってるの?昨日は私、お父さんのお酒でも飲んで倒れたんでしょ?」
私が四人の顔を順に見ながら
そう言うとお母さんが
台所から私の方に寄り
「蘭は昨日、ケーキを食べてからすぐに苦しみ出したのよ?覚えてないの?」
「…」
私は何も言えなかった
だってまさか
昨日のアレが夢じゃないなんて…
その場にいるのが嫌になって
朝食を食べないまま
学校まで走った
自分が男の子になってしまった事実から
逃げたかったのかもしれない
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