第一話

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「はぁはぁ…」 冗談じゃない! なんで私がこんな目に合わなきゃならないのさ… 頭の中のもやもやが無くならないうちに教室についてしまった 教室の中に入れば、 いつもと変わりのないみんなの挨拶 私も、もやもやとスッキリはしていなかったけど 笑顔でみんなに挨拶を返した 私の席は一番左の一番後ろの席で 窓からはグランドが見える そして… 私の右隣に座っているのは、 親友の加賀美 薫 小学生の時からの付き合いで 中学2年の夏休みの時に転校してから 会って無かったけど まさか高校で一緒になるなんて 私も薫も思ってなかった 「おはよ~って蘭…なんか元気無い、よね?何かあった?…もしかしてまた双子に騙されたとか?」 「まさか、違うよ。ちょっと昨日の誕生日パーティーが疲れただけで」 私はそう言いながら、 鞄の中にある教科書やら筆箱やらを机に押し込んだ 「なに、苛々してんのさ」 「別に…苛々なんてしてないけど」 「ふぅん…ならいいんだけどさぁ」 薫は私から視線を外すと自分の鞄を探り始め 1つの飴を取り出すと笑顔で私に渡してきた 「ほい、飴ちゃんでも食べて元気になりなさいな!」 薫の気持ちは大変嬉しいんだけど その飴を食べたら 私、男の子になっちゃうかもしれない 「どうしたん?食べないの??」
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