出会いはいつも唐突に

3/13
前へ
/75ページ
次へ
  「ねえ……私、綺麗?」      はい、きました。きましたよ、このセリフ。俺の記憶が正しかったら「綺麗」と答えても、「不細工」と答えても殺された気がする……。      あれ? ってことは俺殺されちゃう――。いやいやそれはないだろ、ない……はず。確か何か助かるための呪文があったような。     「私、綺麗?」      何も言わない俺にイライラしたのか、さっきよりも強い口調で言ってきやがった。ヤバいヤバいヤバい……。呪文、呪文ってなんだったっけ? くそ……思い出せない。こうなったら変態だと思わせてビビらしてやる!     「へっへっへ。お嬢ちゃん一緒にいい所行かないかい?」     「私、綺麗?」      あれ? 無視? これじゃあ無駄に恥をかいただけじゃん。気のせいかもしれないけど、俺との距離が縮まっているような……。      もう、覚悟を決めるしか。どうにでもなれ、だ! もしかしたらドッキリかもしれないし。いやドッキリだ! ……ドッキリであって下さい。  
/75ページ

最初のコメントを投稿しよう!

221人が本棚に入れています
本棚に追加