出会いはいつも唐突に

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  「ぐすっ……」      な、何でお前が泣くんだよ! よく分からないけど殺されかけたの俺だよ? 泣く権利は俺にあるはずだ。      ……そんなことよりこの状況はヤバい。傍から見れば、少女(推定15歳)をいい大人(俺、17歳)が泣かせている――。こ、このままでは死んでしまう(社会的に)。     「と、とりあえず俺の家、来るか?」      少女はブーメランを振り上げたまま僅かに頷いた。誘っといてなんだが知らない人に着いて行ってはいけないって習わなかったのか?      幸いにも辺りに人は居ない。家も近くにあることだし、誰かに見られる前にさっさと移動するか。      俺は周りを気にしながら家に向かった。口裂け女(仮)はトボトボと俺の後ろを歩いている。      めんどくさいことになったなあ。  
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