三話―幽霊少女と不思議っ子―

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―not視点― 「たっだいまー! 憂眞!!みろよ!!あんパンっつー105kn【円】もするやつ貰ったぜー!! …憂眞?」 上機嫌で爽眞が帰ってくると、倒れてる憂眞に気づいた。 「憂眞!!しっかりしろ!! おい、憂眞!!!!」 必死に憂眞体をゆさぶる爽眞。 栄養失調という悪い考えが浮かぶ。 実際は、ただビックリして気絶しただけだが。 「んっ………?しょぉ、ま?」 聞き慣れている声で目を覚ます憂眞。 ホッと、安堵の息をつく。 「マジびっくりしたぁ……。 ほら、あんパン」 起きてぼーっと自分を見ている憂眞に、あんパンを差し出す。 憂眞はと言うと、はじめて差し出されるパンをガン見する。 「そのパンな、甘いらしいぜ? つぶあんとこしあんがあったんだけどよ……両方貰ったから、半分こして食おうな?」 優しく頭を撫で、爽やか笑顔を浮かべて安心させる。 嬉しそうに笑う憂眞の様子を確認すると、あんパンの袋を二つとも破く。 そして、取り出した二つのパンを半分にちぎった。 「ほら、うめぇから食ってみろ」 ちぎったあんパン(こし)を憂眞の口許へと持ってく。
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