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人外とも言える様な速さで魔物を斬って行く。
人間とは異なる色を持った血を、返り血としてあびる。
散らついている魔物を余裕そうに笑い、一方的に攻撃をしていった。
――――
あっと言うまに周りを魔物の死骸だけにした少年。
口元はつり上がっており、怪しげな笑みを浮かべていた。
ソウマ
「……爽眞。帰ろう?」
憂眞は爽眞と呼ばれた少年の服の裾を掴んだ。
上目遣いに言う憂眞はまるで何かの小動物にも感じられた。
「あぁ、そうだな。
つか、ユーマかぁわいい」
怪しい笑いを直ぐに爽やかな笑顔にして、頭を少し乱暴に撫でながらはにかむように笑った。
「……嬉しくないよ」
可愛い、と言われて喜ぶ男子は少ない。
憂眞もその中の一人だ。
人指し指をくっ付けて上下させながら、いじけた憂眞。
「はは、悪い悪い」
笑いながら言っているため説得力はなかった。
しかし、それでも憂眞は許すと言うかの様に頷いた。
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