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「で、なんでいきなり入学なんですか?」
二人係で憂眞を慰めたあと、爽眞が尋ねた。
急な話でも、爽眞は至って冷静だった。
「何でも、敵組織が動きだしているらしくてな……学園を狙っているみたいなんだ」
「なるほど。で、オレ達には学園を守ってほしいんだな?」
「あぁ、現[うつつ]家も動きだしている」
現家と言うのは有名な騎士団を従える貴族。
「了解」
一対一で進んでいく話し合いを、憂眞はただひたすらに聞いていた。
――――――
「爽眞…家、どうするの?」
「とりあえず………ここ」
「………え?」
話をし、爽眞の指差す方向にあるもの、それは
――廃病院だった。
恐怖で顔を真っ青にする憂眞をみて爽眞は苦笑した。
爽眞も悪気はない。
が、お金がなかった。
二人はまだ十四で、まともな仕事ができないため家はおろか、食事もまともに取れなかった。
幸いにも所属組織から学費は出されるが、そうでなければ学校など夢のまた夢だった。
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