一話―学園への入学?!―

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怖がる憂眞を抱っこして、なるべく環境のいい場所を探す。 「ぉ、ここいいかも」 先ずは普通の患者室。 他の部屋と比べて見ても、埃っぽくなく、ベッドは丁度二つあった。 「…ウォーライン」 爽眞が憂眞を降ろし魔法を唱えると、部屋が水浸しになった。 勿論、ベッドのシーツまで。 「ファイジス」 すかさず爽眞が魔法を唱え、密室に太陽の光を降り注がせる。 すると直ぐにシーツや床は乾き、ある程度綺麗な部屋を造りあげた。 「んーっ、今日は疲れたな」 「うん……。ねね、爽眞…」 伸びをする爽眞の服の裾を掴み頷くと、不意に上目遣いで爽眞の名前を呼んだ。 「んー?どした?」 「僕…学校、嫌だ…」 ギュッと裾を掴む力を強めると、涙目になりながら言った。 爽眞は一瞬で悟った。 学校――つまり、人がたくさんいる場所を憂眞は怖がっていると言うことを。 爽眞はもう一度憂眞を抱き上げ、笑った。 「オレは憂眞の親友だろ? 憂眞の事を泣かせはしねぇよ」   め その瞳には、どんな事をしてでも憂眞を守ると言う強い意志が込もっていた。 そう、例え【どんな事をしてでも】。
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