二つの世界

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 迫り来る化け物共の数は万の桁を越えているかもしれない。 「行け、人の子よ。今お前に出来る事は門を閉める事のみ。 早くせねば新たな獣がやってくるぞ。」 ごねていられる状況ではない。 覚悟を決めなくてはならない状況だ。 「わかった…けど一つだけ頼みがあるんだ。」 「その場凌ぎとはいえ、獣共を滅してやるというのにまだ何かを押し付けるのか? まぁよい。言うてみよ。」 「里奈を頼む。生きて家に帰してやってくれ。」 「つまらぬ願いだのう。まかせておけ。」 「ありがとう…」 そう言い、流輝は門の向こう側へ足を踏み入れた。
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