二つの世界

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 少女の名は柏木 里奈(かしわぎ りな)。流輝の幼なじみで、兄妹のような存在だ。 「相変わらず頑張るね! はいっ差し入れ!」  そういいながら里奈はズイッとコンビニ袋を押し付けた。  中には2リットルのペットボトルが3本…この量をどうしろというのだろう? 「それにしても、里奈も日曜位友達と遊んだらどうなんだ? 友達がいないとか?」 「い…いるよ! 友達位! そっちこそ、いつも剣術ばっかりしてるじゃない!!」  流輝の哀れむような視線に腹を立て、言い返して来た。  確かに正直、日曜に一人で鍛練するのは…むなしい。  しかし、正直に告白すると、さらに空しくなるような気がして強がりを言っておいた。 「青空の下で流す青春の汗!!! うん! 清々しい!!!」 本気で言っていると思われるのも嫌なので、大袈裟に両手を掲げ、空を見上げた瞬間… 大気が震え、空が割れた。image=58349787.jpg
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