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「では、陛下また来ますので。」
櫂藍は、綺麗な笑みで謁見の間を後にした。
「櫂藍は、悪い様には見えないんだが……やはり崔珀の勘違いか……」
櫂藍が去ったあと彷徨は一人呟いた。
コツコツ……
誰も居ない廊下で櫂藍の足音だけが響く。
「……始末はしたか?」コツ……
櫂藍は、ふと立ち止まり誰に言うまでもなく呟いた。
『………』
「ふん……相変わらず無口だな。まぁ、それがお前のいい所なのだがな。」
櫂藍は、柱の陰から現れた黒付く目を者に言った。
全身を黒のフードで覆っているため、男か女は判別しがたい。
「私の邪魔をする者は、誰とて許さん……例えアメンオサでも……」
櫂藍は、邪悪に満ちた笑みを浮かべた。
「來神(らいか)お前は、私の言うことだけを聞いていればいい。分かったな?」
『……(コクリ)』
櫂藍の言葉に來神は頷いた。
「それでいい……私の可愛い人形……」
コツコツ…
櫂藍は、そう言いその場を去った。
『………』
來神もまた闇へ消えて行った。
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