第00章─ 神の子 と エターナルセカンド

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しかしそのような状況の中、未だに記録を破られていないタイムが存在していた。 その記録は当時の普通の水着にも関わらず、高速水着の人達でも決して破ることの出来ない不動のタイム。 記録保持者は現在も水泳を続けていて、勿論出場する大会は優勝は当たり前であり、さらに高速水着の存在がより彼を無敵へと成長させる。 もはや同年代の選手は彼の前では無力同然。 そして世界の頂上を期待された彼は、いつしかこう呼ばれるようになった。 「神の子」と。 少し昔の話をしよう。 無敵の存在の彼にも、実は過去にいつも僅差で争えるライバルがいた。 そのライバルはある日突然水泳界に現れ、そして急速に上り詰めたライバルは、いつしかその年代の日本という国においては残る障害は彼「神の子」しか存在しなかった。 この時は誰もが思った、「もしかしたら神の子を抜かすのでは?」と。 ーーーしかし やはり必然だったのだろうか、実際の王者の壁はとても高く、厚く、そしてライバルは抜かせなかった。 何度も何度も勝負しては「負ける」、それが定説になった。 そして、そんなライバルの姿を見た人達は皮肉の意味を込めたのだろうか、彼の事をいつしかこう呼ぶようになった。 「エターナルセカンド(万年二位)」と。 「天才」と「新星」 彼らのレースは注目の的だった。
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