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そして、ライバルの場所に再び表示されていたのは一番のマークではなかった。
・・・・失格のマークだった。
ーーー会場が騒ついた。
この様子をみていた人達は当然驚きを隠せなかった。
水泳の世界、というより水の世界において、水上よりも水中の方が速く進む事ができると言う事実は基本中の基本である。
その為競泳の世界では、潜水は種目の距離に関わらず15Mまでと制限が敷かれている。
競泳の選手では誰もが知っていて、誰もが絶対に注意をし、そしてもし失格になったら誰もが一番悔しい行為である。
・・・・そうその時のライバルの失格の理由が、まさにこの「15Mオーバーによる失格」だったのだ。
確かにその時のライバルの潜水距離は、かなり際どいラインではあった。
しかし後で関係者らがビデオ等で色々と調査した結果、実際は15Mは越えてなかったらしい。
つまり誤審だったのだ。
勿論、コーチ、関係者はこの事に抗議した。
この記録は彼らにとって、そしてライバルにとってあまりにも貴重であり、そして同時にやっとライバルが掴み取った努力の結晶なのだ。
しかし大会側はこれを認めることはなく、結局このことは迷宮入りになった。
結果、ライバルはその競技に結果を残すことはできず、彼は再び「エターナルセカンド」となった。
この大会は4日間続けて行われてたのだが、次の日からライバルは姿を見せることはなかった。
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