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「あっ優美子じゃん」
久々に会った優美子になんだか照れくさく、いつもとは違う話しかけ方をしてしまう。
「久しぶり」
「……充実してますか?」
一瞬の静寂の後、不意に放たれたそのセリフ。
充実とはリア充、つまり彼女がいるか?という意味だろうか。
それとも本来の意味で私生活が、というこのなのだろうか?
まあどちらにしても。
「してるよ」
俺はニコリと笑いかける。
「声変わったね」
「ほんと?みんなに言われる」
他愛もない話しだけど俺にとっては大事な話し。
前までは鼻声のような声だったがいつのまにか透き通った綺麗な声になっていた。
ただそんなことは照れくさくて言えない。
「どう変わったの?」
向こうから仕掛けてくる。
どうする?
「前は鼻声みたいだったけど今は声が通るようになった」
我ながらなんて応えだと思うけどこれが全力。
透き通る綺麗な声だなんて恥ずかしくて言えない。
「落ち着いたね」
「前からこんなでしょー」
「そうかな?おれお前にいじめられてたわ」
「えーいじめてないじゃーん」
そんな他愛もない話し
幸せなひとときは
いつかきっと
くるのだろうか
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