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開始の合図で両者共に地面を蹴る。 スタートはほぼ同時。しかし、加速した後はヴィンの方が速かった。 ヴィンの予想外の速さに相手は警戒したのか、立ち止まり槍を構る。 槍の弱点は、やはり内側に切り込まれることだろう。 男は懐に入られないように大きく横に薙ぎ払った。 簡単には内側には入らせないことを解っていたヴィンは、避けながら上に飛び上がりそのまま刀を振り下ろす。 「オォラァアア!!」 金属がぶつかる音が響き渡る。男槍を両手で持ち、受け止めた。 「ぐっ……」 スピードの乗った斬撃に男は顔しかめ、刀を弾いた。弾いた瞬間、突きを繰り出す。 ヴィンが身体を反らせ避けると、男は自分の間合いを作ろうと後ろに跳んだ。 その際、手から4発の鳥の形の火が現れる。 「チッ……」 ヴィンは仕方なく一旦離れ、火の鳥の対処に専念した。 飛んで来た火の鳥を刀で切り、次々と消して行った。 「ラストッ……うわっ!!」 しかし、最後の火の鳥を切るとボフンと言う音と共に、煙となって辺りを覆ってしまった。
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