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そのせいか、ジヤ島には義務教育である技術学校と魔法学院の他に、15才から入学兼入隊ができる兵士育成学校がある。 魔法学院出身者は戦いに特化した魔法と武術の訓練。 技術学校出身者は、東側の武器の性能の向上のための研究。 兵士と技術者を育て上げるのがこの学校の目的だ。 この、少し軍事主義的な教育は東の大陸の影響なのだ。 このように、ジヤ島は少し複雑な歴史と思想を持つも、ある程度は平和で、今は島全体が終戦の記念日を祝う祭の準備でにぎわっている。 大陸から直々に国王が来て、盛大にパレードを行うとの事だ。 商業をする人々は、こんなにいい稼ぎ時は無いと例年の数倍の気合いの入れっぷりである。 だが国王が来るともなると警備をする軍の方も、色々な意味で気合いを入れなければならない。 よってこの日、兵士育成学校では一般兵士を含めた、王の護衛を決める選抜大会が行われた。 事前に能力や作法などでテストをし、選ばれた人間同士で試合をして選抜するといったものである。 ――大会も終盤 ヴィンは少々高鳴り過ぎている心臓の音を聞きながら、闘いの始まる時を待っていた。
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