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相手もここまで勝ち上がって来た人間、強いのは明らか。
油断などは以っての外だ。
刀から右手を外し、滑り止めのために唾を吐く。そして、もう一度強く刀を握った。
結界の側まできた審判は二人を交互に見、用意が出来ている事を確認する。
試合が始まる瞬間は、目前。
審判が手を挙げた。
深呼吸をもう一度する。
いつの間にか、高鳴っていた心臓の音は緊張から興奮へと変わっていた。
脚にも魔力を流し込む。皮膚の表面が熱を帯び、筋肉の隙間にエネルギーが潜り込む感覚だ。
どうやら相手も同じ事をしているようだ。
緊張は完全に消え失せた。
「それでは…
始め!!」
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