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俺には幼なじみがいた。
家が隣同士で、例によって2階にあるお互いの部屋が向かい合っていて、物心ついた時からずっと一緒だった幼なじみが……。
そいつはとても明るくて、太陽みたいな笑顔が一番似合う女の子。
何をする時でも彼女はいつも俺の隣にいた。
友達にからかわれたことだってあったぐらいだ。
そんな彼女との関係がおかしくなったのは、俺たちが小学5年生の時。
「ねぇ、ゲームしようよ」
彼女は突然こんなことを言い出した。
その時の俺は、テレビゲームをするものだと思い込み、二つ返事で了承してしまった。
その後、彼女がルールの説明をすることで間違いに気付いたわけだけども……。
ルールは至極簡単だった。
「あなたとあたし、先に相手を好きになった方が負けだからね」
今思えば、訳の分からないゲームだ。
要は彼女を好きにならなければ俺の勝ち。
まぁいいか、と思った俺はそのゲームに付き合ってあげることにした。
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