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今回櫻子の旦那である学が画家の講師としてフランスの芸術学校に招かれ
同時に櫻子も仕事でフランス駐在の辞令を貰い夫婦でフランスに赴く事になった。
海外長期出張や学の海外個展等は良くありそれでもどちらかが娘と日本に残ったり
夏休み等の長期休暇は一家で海外に行く事もあった。
しかし二人揃っての長期滞在は初めてで夫婦は多忙過ぎてしまい、
更に葵は大学進学が決まっていた為に今回の事になった。
『えっ?孫娘様なら本家に預けた方がいいんじゃないの』
執事の真壁直樹は先輩執事の中岡久志にそう言った。
見た目は真壁の方が歳のわりに落ち着いて見え
背の高さもあり二人は良く逆見られている。
ため口なのは中岡から仕事中以外は敬語止めて欲しいと言われたからである。
『いや、櫻子様からの条件で、本家だと宗一郎様が甘やかしてしまうからって』
『あ…まあ樫原さんからの話には聞いているがあの宗一郎様の唯一の弱点だろう?孫娘の葵様は』
『そう誰よりも溺愛しているからな…どんな子だろな。』
『まあ誰であろうと俺は俺の仕事をするよ』
真壁は執事と言う仕事に誇りを持ち常に精進していた。
本来なら真壁も慎一郎と同じ様な立場のはずだが…。
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