高田林

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「いくらお前が素早くても、拳銃にはかなうまい」 ノボルが安全装置を解除したと同時に小夜子は踏み込んでいた。 ノボルに引き金を引く時間はなかった。 パイプによって払われた拳銃は、回転しながら床を滑り、壁に当たって止まる。 小夜子は涼しい顔をして、拳銃を拾いあげた。 「所詮、あなたは小悪党。私とは違う。まぁ、あなたが蒔いた種ぐらい自分で処理しなさい」 小夜子はリボルバー式拳銃の回転筒を開き、弾丸をその場に落とした。 そこに白石所長が入ってきた。 「加藤成夫……。羽田副知事を殺害したのはあなたね? 地下の製造機も見せてもらったわよ」
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