高田林

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「……刑事(デカ)か? まさかな」 ノボルは入ってきた所長から目を逸らした。 というより、脳震盪で参った感じだ。 「やっぱりもう一匹ネズミがいたか。大人しく通せば許してあげるけど?」 小夜子がこの場から去るには、所長が邪魔だった。 しかし、いったい小夜子は何者なのだろう? 別の組織か何かだろうか。 「あなたも共犯、もしくは証人として残ってもらうわ」 所長が小夜子に対して構える。 小夜子もそれに倣って配管パイプを正眼に構えた。 「空手が剣道に勝てると?」 小夜子は摺り足で所長との間合いを詰める。 「喧嘩にルールはないわ」 所長も少しずつ間合いを詰めた。
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