高田林

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先に動いたのは小夜子だった。 踏み込んでの面打ち。 所長はさらに前に踏み込んで間合いを詰めてかわし、小夜子の顔面に正拳突きを放った。 紙一重でかわした小夜子だったが、メガネが飛び、髪を結っていたゴムが千切れた。 長い髪が軽やかに広がる。 同時に両者は位置を入れ替わっていた。 「……五十嵐かほり。五十嵐コンツェルンの長女で、15年ほど前の全国高校女子剣道大会覇者。一時期国民的アイドルみたいになっていたわね」 あぁ! そう言えばそんな人いた! 美少女剣士『ツルギちゃん』だ。 一時期マスコミに出ずっぱりで。 だから見たことあるような気がしていたんだ。
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