高田林

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「すみません」 心音が高まる中、我ながらマヌケな声だと思いながら、白い木のドアを強めにノックする。 二階の窓から明かりが漏れているので、居ないとは考えられない。 やたらと喉が渇くのは、緊張の証だ。 任務をいくらこなしても、なかなか馴れない。 しばらくすると、扉の向こうで物音がした。 出迎えてくれるようだ。 安心しながらも緊張感は反比例して、極限まで登りつめた。 「何ですか?」 扉を少しだけ開けて顔を出したのは、何と写真で見た痘痕面だった。 思わず息を飲みそうになるのを、何とかコントロールする。 唾を飲み込み喉を落ち着かせた。
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