高田林

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色白の男は怪訝な顔つきで私を見ている。 「車が急に動かなくなりまして……。ロードサービスを呼びたいんですが、携帯も電池切れで……。良かったら電話をお借りできないかと……」 痘痕面──ノボルは私を値踏みするように見回す。 私はバッグから財布を取り出した。 「お礼はしますんで……」 「どうぞ」 言うが早いか、ノボルはドアを開けた。 しかし、無愛想な態度に変わりはない。 私はそそくさと中に入り込んだ。 広々としたホールは正面に階段があり、その両脇が奥に繋がる通路になっていた。 左右にそれぞれ部屋があり、ノボルは左側の部屋を指差した。 アーチ型の木のドアは開いており、サイドボードに置かれた電話が見えた。
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