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野性的な勘とでも言うのだろうか。
白石所長と持っている雰囲気が似てる。
「警察には見えないけどね」
小夜子はソファーの脇にあった金属の棒を掴んだ。
私から視線を外そうとはしない。
掴んだ棒は配管パイプのようで、人の腕くらいの長さがある。
「何か誤解され……ぐぁっ」
私が口を開いた瞬間、小夜子は踏み込んで、私のお腹をフルスイングで打ち抜いた。
痛いってなもんじゃない!
内臓をえぐられるような感覚。
みぞおちに入って息ができない。
まさに一閃だった。
殺される!
でも、その場に膝をついた私は体を動かせなかった。
そうか……。
今のは『剣道』の胴打ちだ……。
小夜子は有段者に違いない。
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