高田林

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小夜子は床に這いつくばった私の腕を取ると、手錠をかけた。 片方の輪を握って、私を引きずるようにしてホールから階段を上がる。 まだ呼吸がままならない。 抵抗するだけの力が湧かず、私はされるがままになっていた。 「仲間がいるんでしょ? あなたは注意を引くために玄関から来た……」 二階では、ノボルが各部屋を行ったり来たりと忙しい。 所長はまだ見つかっていないようだ。 二階は一階と比べて、廃墟に近い感じだ。 やたら散らかっていた。 外から見えていたガラス窓の広間に入れられたが、窓側は廃材なのか金属片が所狭しと散らばっていた。
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