684人が本棚に入れています
本棚に追加
小夜子は床に這いつくばった私の腕を取ると、手錠をかけた。
片方の輪を握って、私を引きずるようにしてホールから階段を上がる。
まだ呼吸がままならない。
抵抗するだけの力が湧かず、私はされるがままになっていた。
「仲間がいるんでしょ? あなたは注意を引くために玄関から来た……」
二階では、ノボルが各部屋を行ったり来たりと忙しい。
所長はまだ見つかっていないようだ。
二階は一階と比べて、廃墟に近い感じだ。
やたら散らかっていた。
外から見えていたガラス窓の広間に入れられたが、窓側は廃材なのか金属片が所狭しと散らばっていた。
最初のコメントを投稿しよう!