高田林

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小夜子は握っていた輪を、クローゼットに渡されたポールに繋いだ。 「二階裏の窓が開いていた。すでに逃げたのかもしれない」 ノボルが小夜子に報告する姿を見ると、どちらが社長なのかわからなかった。 「製造ノートは無事ですか?」 「あぁ、それならここに」 ノボルは胸のポケットから、USBフラッシュメモリを取り出した。 再び女豹が動いた。 するどい小手打ちにより、フラッシュメモリを叩き落としたかと思うと、すかさず顔面にパイプを叩き込んだ。 ノボルはのたうち周り、私の横まで転がった。 小夜子はゆっくりとフラッシュメモリを拾いあげる。
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