二章 初めての夜

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 村を出てからすでに、日が暮れていた。  イワンが、荷物を地面に下ろした。 「今日は、ここで野宿だな」 「そうね。そう言えば、まだあなたたちの名前聞いてなかったわね」 「そうでしたね。僕は、ユウ・マグリッドです」 「俺は、アーク・ファーブルだ」 「ユウに、アークは何か得意なことってある?」 「俺は、特に…」 「ユウは?」 「料理が少しできるかな?」 「ユウは、料理できるんだ」 「ニーノさんは、出来るの?」 「私は、全然だめ。もちろん、イワンもね。一回イワンが作ったけど、すごかったわよ」 「そうなんだ…。そう言えばアークって、料理作れる?」 「俺は、作れないぜ」 「もしかして、作れるの僕だけ?」 みんながいっせいに顔を縦に振りうなずいた。 「まあ、と言うことだから。ユウ、作ってくれるかしら」 「ん~。いいけど」 「ありがとうね♪」 みんなが、野宿の準備をしている間に、一番早く作れて簡単な、サンドイッチを作った。肉がなかったため野菜ばかりになってしまった。 「ご飯できたよ~」 「できたか」 「ごめんね、村から持ってきた野菜とパンしかなかったからこんなのしか作れなかったよ」 「いや、作ってくれるだけでもありがたいよ」 イワンが、笑いながら 「食べるか」と言って 食べ始めた。  食べている途中気になったことがあったので聞いてみた。 「聞きたいことがあるんですが、いいですか?」 「ん?なんだ」 「昨日、森で戦った生物…。今までで見たことなかったんですがあれは?」 「あれは、魔物だ。普段は、洞窟とかの人のいない所にいる」 「あれが、魔物…」 「たぶん、これからの旅で何回かは、戦うだろうな…」 「まだ質問いいですか?」 「答えられる範囲ならいいぞ」 「旅するときは、お金ってどうやって稼ぐんですか?」 「旅をしている間は、仕事して、働くわけにはいかないから、ギルドで依頼を受けたり、魔物が落とす属性クリスタルを売るの二つかな?」 「属性クリスタル?」 「そうだなぁ、俺じゃあ説明下手だからこれを、やるよ」 イワンが、厚い一冊の本をくれた。 「この本は?」 「ダリヌスと言う人が、書いた辞書だ。この世界の物とかが詳しく載ってるはずだ」 「ありがとう」 サンドイッチを、すぐに食べ辞書を開いて読んだ。
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