祈りの平和

5/6
前へ
/12ページ
次へ
まさに、その時だった!! 真っ赤に染まった。Su33が急降下してきた。 次の瞬間。 利典と希望は、宙に浮いた。 しばらくして、利典はゆっくりと目開けた… それは今さっきまで、利典がいた世界ではなくなっていた。 「みんな…死んでる…」 利典は現実を理解できないまま、ゆっくりと歩きだす。 「希望…希望…」 目の前には、左手首だけになった希望の姿があった。 利典は現実を理解できないまま、その場に倒れた。 目から大粒の涙がとまらない… 利典はゆっくりと希望の手首をだきかかえ、この世の不条理さを憎んだ。 空を見上げれば、3機のsu33が旋回しながらこちらを伺っている。 まるで獲物が弱るのを、待つハゲタカのようだ。 「君…」 かすかに聞こえた。 ゆっくりと、利典は声のするほうえ歩みよった。 そこには、上半身と下半身が真っ二つに引き裂かれた、人がかすれ声で呼んでいる。 「わたしは…防衛省技術開発部、橘一佐…」 「その制服は…少工だなぁ…」 「君も自衛官だろ…」 マニュアルのような物を手渡してきた 「何としてもMSを中国に渡してはならぬ…」 そう言い残すと老兵は生き絶えた
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加