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目的地は神殿だった。神殿に着くと、従い歩く人達と共に僕も入口の横に控える。
神殿では神官達による予言が行われ、基本的に王族しか入ることが許されない。
そして、たとえ王族であっても神官の長、バラモンと呼ばれる者に気に入られない者もまた、神殿に立ち入ることはできなかった。
ここでは、王族や武官よりも神官の方が位が高いのだ。
僕は後者、その他の人達は前者の理由で、神殿に入れるのはお父さんだけ。
そう考えて僕も横に控えたし、その考えは他の人から見ても間違っては居ないはずだが、お父さんから見るとおかしかったらしい。
「何してんだカルマ。お前も来い」
「……ですが、僕は」
「サーマーンが何と言おうと、お前は王族だろうが。中に入ったって誰も咎めねえだろ?」
それだけ言うと、お父さんは僕の腕をつかむ。
そのまま引きずられるように神殿に入った。
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