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周りからの声を完全に無視できる僕に対し、お父さんはそれを聞くたびに、不機嫌になっているようだった。
それも頷ける。
自分の血を引く子供が好き放題言われていて、しかも本人が言い返さないなんて、誰だって情けなくて腹が立つに決まっている。
お父さんはお母さんを大変愛していたらしいから、そのお母さんが自分の命と引き換えにしてまで生んだ子供がこんなのだと、失望も大きいのだろう。
姿が周りと違っていると、性格まで違ってくるらしく、例えば僕は人間の肉が食べられなかった。
一度お父さんが無理にでも食べさせようとしたことがあったが、その後僕は情けなくも気絶してしまったらしく、気がつくとベッドの上だった。
お父さんが凄く苛立った眼で見ていたのを覚えている。
角を持たず、弱々しく、異質な子供。そんなのを連れて何処へ行くのだろうと、不思議に思いながら僕はお父さんに着いて歩いていった。
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