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ふとさっきのダンスをしていた男の子達の方に目をやると、人だかりは消え、薄暗い街灯の下で彼等は談笑していた。
あっ…
私の目が一人の男の子に留まった。
まるで女の子の様に可愛い顔。
だけど、どこか凛としていて、その笑顔は私の目を奪った。
見頃を過ぎた桜が、彼の背後に降り注ぎ、夜であることを疑う位彼の周りだけ光り輝いて見えた。
視線に気づいたのか、彼がこちらを向き、目が合う。
その目に吸い込まれるかのように見つめ合っていたが、彼の周りにいた友達が気付き、こっちを見た。
咄嗟に私は目線を携帯に落とした。
たった数秒だったんだろうが、私には何十分も見つめていた気がした。
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