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行く当てを無くして、私は一人駅へと向かっていた。
「どうしよっかなぁ…」
と呟きながら携帯を弄る。
友達にメールを送っても返事は皆、連れないものだった。
今は3月。
まだ夜は寒く、コートの前を締め、体を抱えながら、駅前のベンチに腰掛けた。
寒さに凍えながら、それでも家には帰る気になれなかった。
ふと前に小さな人だかりが出来ているのに気づいた。
なんだろう?
体を横にずらし、人垣の隙間を目を凝らして覗く。
そこでは数人の男の子達が踊っているようだった。
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