悲劇

6/7
前へ
/296ページ
次へ
 しかし、遠目に見ても気がついたように、風で飛ばされるほど小さな物には見えない。またその物体が浮かぶ真上の部屋は、この屋敷の娘、大城富士江の部屋である。彼女の性格から考えて、窓の外に物を投げ捨てたりはしないだろう。と思ったところで田原はぎくりとした。そうだ、あの大きさ、形はまるで人のようではないか。
/296ページ

最初のコメントを投稿しよう!

281人が本棚に入れています
本棚に追加