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「はーい。おっけー」
「無理やりでもやれよ。絶対にな……って、やるのか!?」
「……悪いスか」
「いや、いい。むしろいい。じゃあ、次……」
以外にすんなりオッケーした玲紀に、女子がざわつく。それならやれば良かった、ってわけ。愛里の不満そうな顔が浮かんで、ついついにやけてしまう。
いかんいかんと前を見たら、先生とばっちり目が合った。いや、合ってしまった。してやったり、って顔をしてる。ああ、やばい。
「よし、じゃあ女子は、」
絶対わたしじゃありませんように。心の中で何度も叫んだ。
「天海に決定!」
……最悪、だ。もうこうなれば笑っている場合ではない。それまで騒いでいた女子の全員が私に冷ややかな目を向けている。
「先生、私やりたくな──」
「じゃあこれから二人中心に、計画話し合ってくれ。プリント置いておくから、司会してな。俺、昼飯食べ終わってねえから、戻るわ。話し合い、よろしく!」
反論をさせず(多分わざとだ)、せかせかと楽しそうに先生は去っていた。なんだか、頭が痛い。愛里にあとで絶対なにか言われるだろう。大して仲良くもないのに、こういう時だけ馴れ馴れしいんだから、困る。
誰もいない扉を見つめていたら、とんとんと肩をつつかれた。驚いて体が跳ねる。
「え? あ、なんだ木崎君か」
「なんだって、失礼だな……。つーか、どうするよ、これ」
玲紀はひらひらとプリントを泳がせ、私に見せてきた。
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