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「だったらそんな態度おかしいだろ!お前らは『神風』で、地上の人たちを魔から守るのが仕事なのに、その人たちを傷つけてどうすんだよ!」
「こんな役、なりたくてなった訳じゃない!」
「それだって、今はれっきとした『神風』だ!」
「『神風』は嫌なことがあったとき、八つ当たりしちゃいけないんですか?!」
「対象が違うって言ってんだよ!」
お互いに逆上して、言い合いはどんどんヒートアップしていく。
そこにすっと、相羽ちゃんが割って入った。
「は~いストップ!三人とも、一回落ちつこっか」
ニカッと笑ってそう言った相羽ちゃんを、俺も含めた三人は不機嫌な顔もそのままに見た。
「まずさ、翔ちゃん。翔ちゃんこそ『神風』でしょ?さっきの盗賊さんたちを怖がらせちゃダメじゃん」
「え?…俺は、何も…」
思い当たる事はない。
二人が怖がらせちゃったから出来る限り笑顔で、青龍たちの付けた傷を治療して…。
「だって翔ちゃんさぁ、ずーっと怖い顔してたもん。そりゃぁあの二人も逃げるって。それに、事情も聞かないで急に怒ったらニノたちならもっと不機嫌になるの知ってるでしょ?百年も一緒にいればさ」
「……」
「それから!ニノとマツジュンも。翔ちゃんの言うことも正しいよ。オレらはやっぱり人を傷つけちゃいけない。オレだって地上は嫌いだけど、暴力はダメ。まぁ、地上であんな奴らにで出くわしちゃったらもっと苛々しちゃうんだけどね」
「……」
「…」
「………」
相羽ちゃんの言うことは正しくて、俺ら三人は何も言えない
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