横顔

3/9
前へ
/64ページ
次へ
『羽音』に着くと、もうオイラ以外の四人は集まっていて、魔が現れた正確な位置とか、作戦とか、役割分担とかを決め始めていた。 「今回はどの辺?」 「西方の郊外です。数は、正確には六。ランクはCランク。三人いれば倒せると思いますよ」 「じゃあ、俺と相羽ちゃんと和で行こう」 「オイラも行くよっ」 「キャプテンは、ここで翔さんと待っていてください。Cランクの奴らですから、俺ら三人だけで大丈夫ですよ」 「でも……」 オイラはまだ引き下がらなかった。 でも、和は笑って言ったんだ。「大丈夫です」って。 マツジュンと雅ちゃんも、大丈夫って言って、笑ってた。 翔悟くんの方を見たら、心配そうに微笑みながらオイラの肩に手を置いた。 「……わかった。ここで待ってる。でもね?一つだけ条件」 「何?」 「死んだら許さない」 そう言ったら、三人は一瞬驚いたみたいだけど、すぐにニヤって笑って、 「当たり前だろ」 って言った。 「それならいいよ。…いってらっしゃい」 「いってきます」 笑顔で手を振って【アラシ国】へ向かう三人を、オイラと翔くんは見送った。  “死んだら許さない” 初めて言ったな…あんな言葉。もうオイラも年なのかなぁ……って、百歳超えてるんだっけ、本当は。 「さて、俺らは俺らの仕事をしよっか聡くん」 「うん」 .
/64ページ

最初のコメントを投稿しよう!

50人が本棚に入れています
本棚に追加