50人が本棚に入れています
本棚に追加
数分間魔と格闘して、やっと一体倒した。
こっちはボロボロなのに、残りの奴らはピンピンしてる。
「…なんかムカつく」
「ニノ!」
「和、相羽ちゃん、大丈夫か?」
俺が呟いたら、俺と同じようにボロボロの潤くんと相羽さんが俺の方に来た。
「俺は大丈夫です。けど…俺の割り当て分…残り二体を一人で殺るのは、ちょっと難しいですね」
こうなってしまったら……。
「はは。俺も似たようなもんかな」
「二人ともどうしたの~?オレはまだまだいけるよ?」
「あんたはバカだからいいの」
「ウヒャヒャッ♪」
魔に囲まれながらこんな話しが出来ることに、我ながら関心。
「ところで」と、俺がそう切り出してみると、どうやら潤くんは俺と同じ考えだったようで、真剣な面持ちで一度頷いた。
「え、なになに?二人だけ~。オレを仲間はずれにしないでよ~っつって」
ったく…相バカ…。
「ようするにですね。こんな危ない状況なら…力を使わざるを得ないかもしれないってことですよ」
「おぉ~!」
…本当にわかってなかったんですかね…。
「…それで?使うの?」
「そうですね…二人はどのくらい倒しました?」
「俺一体」
「オレは二体!」
相羽さんが鎌を構えたまま自信満々にピースサイン。
いいから、ホラ余所見しない。
「俺も一体です…。ちょっと情けないですが」
背中合わせで、武器を構えたままの会話。
三人合わせて倒した数は四体。
残りの魔は六体。状態は最悪…。
「…やりますか」
「またリーダーに怒られそうだな。また無茶して~、とか言ってさ」
「ウヒャヒャッ。ありえるね、それ。
…んじゃ。いつもの感じでいいの?」
「いつも通りで」
「…りょーかい」
.
最初のコメントを投稿しよう!