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「結界、どう?」
『羽音』に着くと、二人が魔に破られた結界を修理して、補修しているところだった。
「もうちょっとで終わるよ。――ニノと相羽ちゃんはどう?」
「ふふふ。聞いてよ。雅ちゃんがね?いびき掻きながら、和に足乗っけてんの」
「ハハっ。いつも通りだな、相羽ちゃん」
「なんか俺、心配して損した気分になってきたかも」
三人で笑ってると、『羽音』の戸が開いた。
見ると、そこに居たのは和。
何か、疲れてるように見える…かも。
「ねぇ和…どうしたの?なんか疲れてる?」
「どーしたもこーしたもないですよ。あの相バカ…俺の上に足なんか乗っけやがって…。どかすのに苦労したんですよ?」
腰に手をやりながら、眉根を寄せて話す和も、いつもと同じ。
「相羽ちゃんは?」
「まだ寝てるんじゃないですか?デッカイいびき掻いてましたよ?」
「まぁいいじゃん。相羽ちゃんだし」
「だねぇ」
また同じことを言って、みんなで笑い合った。
―――これからもみんなと一緒にいられればいいな。
その時のオイラはのん気で、この後起こることなんか予想もしなかった。
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