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〔神子〕
なんでみんなは、オイラに隠し事するんだろう…。
百年も一緒にいるのに…。
本当はオイラ、知ってるよ?
みんなが何を隠してるのか。
『限界』
近いんでしょ?
オイラには、力を滅多に使わせなかったから、オイラよりもずっと先に『限界』が来ちゃうんだよね…。
「ハァ……」
「聡くん?どうしたの?ため息なんかついて」
あ。ため息になっちゃった。
「ん~。いい絵のアイディアが浮かばなくてさぁ」
「ハハ。そっか。いいアイディア、浮かぶといいね」
勢いでついた嘘に笑顔で答えてくれる翔悟くん。
でも…あんまり笑えてない。
顔色も、少し悪いし。
「翔悟くん…大丈夫?」
「何が?俺、どこも悪くねぇよ」
「そっか。なら、いいや」
一瞬。ホントに一瞬、翔悟くんの顔が強張った。
やっぱり、まだ話してくれないんだ……。
みんな無茶するところあるからなぁ。
多分、ギリギリまでオイラには心配かけないように、また無茶するんだろうな…。
オイラって…そんなに頼りないかな…。
なんか寂しいよね。こういうのってさ。
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