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〔青龍〕
翔さんが俺らを呼びに来たとき、何か深刻な気配を感じた。
相羽さんと潤くんも同じらしくて、三人とも一瞬で顔から笑顔が消えた。
「…なんですか?急に俺らを集めて」
ちょっとイライラしながら、翔さんに聞くと、いつもは俺や潤くんが機嫌悪いと小さく悲鳴でも上げるところなんですけど…今日は真剣な顔を崩さずに話し始めた。
「ごめん。でもさ…聡くんには、聞いて欲しくなくて」
「『限界』のことか?」
「あ…うん。…そうなんだけど」
怒ったら俺よりも怖い潤くんにズバッと言われて、ビビリ翔さんはたじたじ。
さっきの真剣な顔はどこへやら…。
「オレ、さ…」
今まで黙っていた相羽さんが、小さく声を出した。
「リーダーには…笑ってて欲しい…」
「…どういう意味?」
「だって、リーダー。最近…ちゃんと笑えてない…。それに、みんなもいつもと違うし…。こんなの、『花嵐』じゃないよ…」
相羽さんが鼻を啜った。
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